草太と楽人が同居している、木造三階建てのギザギザアパート。二人のアルバイト先のロックンロールBAR「FUS」謎の多い中年マスター、スナック「菊熊」の菊ママと熊とボーイの政、インチキアンティーク屋で虚言癖を持つタイ人のムッキー、色情狂いのエロ管理人、また彼らに伴って奇人変人たちが集まってくる不思議な建物。
草太と楽人が同居している、木造三階建てのギザギザアパート。二人のアルバイト先のロックンロールBAR「FUS」謎の多い中年マスター、スナック「菊熊」の菊ママと熊とボーイの政、インチキアンティーク屋で虚言癖を持つタイ人のムッキー、色情狂いのエロ管理人、また彼らに伴って奇人変人たちが集まってくる不思議な建物。
道草アパートは大阪の台所と呼ばれる黒門市場の片隅にある、不思議なアパートです。
昭和30年代に建てられた木造のアパートでしたが、60年近くの月日を経て、すっかり草臥れていました。
長い年月、同じ町の片隅で春夏秋冬を眺め、色々な人達を雨風、暑さ寒さから守り、すっかり年寄りになってしまったアパートでした。時代は物凄い早さで遷り変わり往き、ついに解体されることが決定しました。
しかし、かなた狼監督をはじめとした数人の手によって「待った」がかけられ、再生を図ることにしました。
廃材を有効活用し、エコという観点のみだけでなく「解体寸前だったポンコツアパートの意地」というコンセプトに基づき、様々なアーティストの手によって廃材やガラクタに新たなエネルギーが加わり、アートや部位という生まれ変わった姿で再びアパートの一部となりました。
こうして、今までに全くなかった、新しいアートリノベーション建築「道草アパートメント」が生まれたのです。
現在の道草アパートでは様々な種類の人間が、それぞれの仕事をしています。
服飾の店舗、デザイン会社、珈琲店、音楽レーベル、廃材リメイク家具屋、レトロ雑貨BAR、そしてとある秘密結社の本部。
またそれに付随する様々な来客があり、異なる互いの価値観を共有して尊重して泣き笑い合える空間なのです。
映画「ニワトリ★スター」劇中のギザギザアパートのシーンは、全てこの道草アパートメントで撮影しております。
…さて、道草アパートメントと命名した由来ですが、道草とは、とても人間らしい言葉のひとつだと思ったからです。人間は色々と無駄なことも、寄り道もします。
人間が生まれて死ぬまでの道のりも、道草と呼べるかもしれませんね。